映画『余命』
残された命を繋ぐと言うこと。あえて、その選択をした命の輝き。
滴は外科医だ。大学病院に勤務する。
滴の夫、良介はカメラマン。元々は医学部の同期だが、カメラマンの道を選んだ。そこそこ喰っていける生活だ。
滴はかつて、乳ガンを経験している。右乳房を全摘。女じゃなくなっちゃった、という滴を良介は受け入れ、夫婦となった。
そんな滴も38歳。子はいない。そろそろ限界の年齢。
その滴に待望の妊娠が明らかになる。
喜ぶ滴、良介。
しかし、好事魔多し。
滴は自分の胸に赤い発疹を見つける。なんだ?
病院の機械を使い自分で自分を診察する滴。
それは、発症すると確実に死ぬ、乳ガンの炎症性再発だった。
ガン治療をして延命しても、やはり死ぬ。そして抗がん剤は確実に胎児を殺すことになる。
子供を産めば治療が遅れる分、余命は短くなる。
究極の選択。
揺れる心の滴は、生まれ育った奄美諸島・加計呂麻島へ休暇を取る。
最初、一人でじっくり考えるつもりだったが、妻の事を察したのか、良介も付いてくる。
島の豊かな自然、赤い夕日。
子供にこの景色を見せてあげたい。
滴の意志は決まった。
滴は病気のことは良介にも誰にも伝えなかった。一人で産むのだ。
良介には、鳥島でアホウドリの撮影を行う、3ヶ月のキャンプの仕事が入っていた。
このまま、ガンを放置すれば病巣は発疹を食い破って体表に現れる。そうなると良介にも知られてしまう。
滴は良介を遠ざけることにした。
滴は病院を辞め、今後、自分の収入なしに良介が子供を育てられるか、不安になり良介と険悪になってしまう。
良介は鳥島に行った。
そして良介からは手紙は来なかった。
滴は、一人で無事に男の子を出産した。
滴は良介の帰りを待っていた。良介の帰りを待って、ガン治療をしようと決めていたのだ。
刻々と迫る骨転移。骨転移すると子供を抱くことすらできなくなってしまう。
良介は間に合うのか?
そして、滴は良介に本当の自分を伝えることができるのか?
良介は全てを受け入れ、そしてどうするのか。
余命が迫る。
ガンの映画です。
だから、悲惨な映画です。
テーマは、たぶん、『命は繋ぐことができる』なんだと思います。
滴は自分の余命を息子・瞬太につないだのだと思います。
どのみち死ぬのならば、自分の命を確実に次代に繋ぎたい、という滴の悲壮感が溢れています。
(ここから、くりにゃーの不満こおなあ。
悲壮感が必要なんですよ。何もしないことで、確実にガンが進んでいく、という。
けれど、映画では、松雪泰子さんはガン患者に見えない。
ガンって、体が腐っていくと思うし、患部に強烈な痛みが走ると思うの。
そういう、ガン患者であることを選んだデメリット、というものが、映画では全く表現されていないから、ガン患者の心理的な余命のない感情は描けても、何か物足りないのです。
確かに、死ぬ。ただ、患者が死ぬことを決意してしまったら、それは恐怖ではなく諦めの諦観に達するのではないかな。
滴が精神的にとても強い人なだけに、「死にたくない」というジタバタ感も全く表現されていなくて、本当にこの人は死ぬ人なのか、て映画見てて感じちゃう。
もっとガンって悲惨なものだと思うのだけど、実際はこんな感じなのかなぁ。
臭いくらいのガン患者を期待しちゃいけないんだろうか。
以前、やはり乳ガンの映画を見たのだけど、その映画でも患者は従容として運命を素直に受け入れていて、驚くほど静かな映画だったから、ガンである、ということと、余命がない、ということの感情は、むしろジタバタするもんじゃなくて、静かなものなのかなぁ。
この作品では、自分の余命を産まれてきた子供に継ぐ、と滴が覚悟しているから、精神的なジタバタはないのが正しいかもしれませんね。
恐怖を超越する、母親としての意識か。
それが、実はこの映画のテーマなのかもしれません。
しかし、肉体的ガン患者の描写は欲しかった気がする。
あまりに、すべてが綺麗すぎるんだもん。
以上、くりにゃーの愚痴でした。)
滴は強く自分の命を瞬太に継ぐことで、命の輝きを全うしたのだと思います。
良介はそんな滴をまるっとまるごと愛する・受け入れることのできる大きな人。
瞬太を育てるために自分を捨てて、滴の遺志を受け継いでたくましく生きることができる良介は偉いです。
実に二人の愛は確かに強いものなのだなぁ、と感じます。
滴に松雪泰子さん、良介に椎名桔平さんが演じていて、好演です。
ほとんど二人がメインの映画なので、二人はさぞかし大変だったろうなぁ、と思いますが、息が合ってました。
ガンは恐ろしい病気だけど、こういう選択もあり得るのか、てのと、命の本当の意味とは何だろうと考えさせる、いい映画でした。
今日のぽてぽて
映画館にはバスで行ったのだけれど、映画館だけだと、3000歩程度。あと2000歩足りません。
帰りのバスをバス停1つ前で降りて、途中ローソンでDVD付きエロ本とジューシーフライドチキンを買って、もぐもぐしながらぽてぽて。途中、水たまりにじゃぼん、しちゃった。この時期に水たまりってなくなくない?
無事にお家に帰り着いて、5230歩。ノルマ達成です。
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